ある夜の出来事 愛だろ、愛っ。

季節は春満開

屋外ではノーマスクの人が増え

街ですれ違う知人友人と

「こんちわー。」

「元気ー?」

フル笑顔で挨拶が出来るのがいいですね。

ここに来て、

あの出来事を

思い出す事になる。

 

パンデミック前_____

私は

店の備品を買いに

渋谷の東急ハンズに徒歩で向かう

渋谷NHK正面玄関前には

出待ちをする女性でごった返していた。

気にせず通過していると

後方から

ドタドタ、、

「すいませーん!

すいませーん!

サインください❗️」

私の前に二人の

女子高生が立ち止まった、

手には各々、

色紙とサインペンを持っており、

私は

「えっ⁉️」

彼女達に目を向けると

「やだぁ〜も〜間違えたぁーー‼️」

爆笑した二人は

ギャーギャー言いながら

引き返えした、

その場に居合せた

出待ち女子からも失笑感が漂うなか

私は

な・に・ご・と・も・

なかったかのように

東急ハンズに向うのだった。

そう

私のコードネームは

Mr.COOL.

それでは

今夜も

この辺で

素敵な週末を

good night…

ある夜の出来事 夜のPK合戦

その夜_____

〝チリーーーン〟

「いらっしゃいませ。」

(おっ⁉️)

サッカーブラジル代表

ネイマール選手に御来店頂いた

かと思うほど

そっくりな男性とお連れのマブい女性と御来店頂く

ネイマールは少し慌てた様子で…

「@*!?☆♪&☆%¥☆¥#p''」

多分よ、

英語と思われるが何一つ理解出来なかった。

ネイマール

更に慌てた様子で、

ポケットからスマホを出して

ダイレクトメールの吹き出しを私に見せた。

そこには、

〝東京都渋谷区西原3-24-12〟

と明記してあり

私はドヤ顔で

「ヒァーヒァー。」

人差し指でカウンターを指すも…

「NoNo…No…イザカヤ?」

「あっーーー、青さんね!」

「NoNo…No…」

「えっ、違う!?」

「じゃあ…ギョモク?アサヒヤ?ウキブクロ?フク?」

ネイマールは更に慌てた様子で

顔を横にふりながらスマホをスクロールさせ、

「…エロ」

「…エロ♡?」

ネイマールと私は見つめあう。

「エロ……」

「エーオー…

AO…

青さん!ネクストドア、プリーズyo❣️」

良い週末を!

ある夜の出来事 憧れのREDWING

その夜_____

〝チリーーーン〟

「ヒサくん、久しぶり〜。」

「おっ!いらっしゃいませー。」

アントニオに御来店頂いた。

アントニオは

私が

下北沢バーイデォサバンで

店長を勤めていた頃からのお客様

今宵は

彼女と下北沢の老舗焼き鳥屋〝駅〟で

食事のあと二駅

上って頂き御来店頂いた。

アントニオは生ビール

彼女はジントニック

昔話に花が咲く

「懐かしいわぁ〜」

 

(中略)

 

「じゃあ…ごちそうさまでした。」

「ありがとうございます。」

〝コツコツ、カツカツ〟

お見送りしながら思い出した。

「そうそう!アントニオ、コレ覚える?」 

私は足下を指す。

二十七年前_____

ロスに出張するアントニオに

頼み込んで

買ってきてもらった

レッドウィングのブーツを

その夜

履いていた。

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二十七年間からなる

ヤレ感は一夜にして成らず

いくつになっても

憧れのレッドウィングを

履きこなせる

自分でありたいと思う。

※REDWING(ワークブーツブランド)

1905年アメリミネソタ州で創業

私のは

エンジンアブーツ2268  US10 D

90年代前半に流通していたPT91茶芯(革の断面が茶色)

先端に鉄板が入っており空港の保安検査ゲートでは

脱がないとチンコン鳴ってしまいます。

(片足約1.1㌔)

それでは

今夜も

この辺で、

東京は桜満開宣言しましたね

素敵な週末を

good night…

ある夜の出来事 恋するセブンティーン

2023年3月9日、WBCが開幕した。

大谷翔平選手を拝見させて頂く度 

思い出す女性がいる。

七ヶ月前______

ノースリーブのワンピースを着こなした

マーガレットに御来店

ジンリッキーを片手に

仕事、家族、プライベート、

人生の事など

赤裸々に語ってくれるのが嬉しいし

めちゃくちゃ笑えるのです。

「ねぇ〜相変わらず禁煙なの。」

「そー。」

 

(中略)

 

「はぁ〜ぁ…うち娘、

大谷翔平にもらってくんないかなぁ〜。」

そう言いながら

マーガレットはハンドバッグから

煙草を取り出し一服しに行った。

 

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を…

おやすみなさい。

ある夜の出来事 眠れぬ夜は君のせい

その夜、

仲の良い御夫婦に御来店頂く

旦那さんはオールドパーのロック

奥様はソルティドッグ

仕事の話をひと段落させ

奥さんより切り出された。

「それとねぇ…

最近、アナタのいびきがうるさくて寝れないだけど。」

「知らねーーよ、

こっちは爆睡して覚えてネーシ。」

奥さんは旦那が呑んだ夜は

いびきが凄く

同じ部屋では寝てられないと話す。

その度に

奥様は毛布を剥ぎ取って

リビングのソファーで夜を明かすという。

「そんなに、

いびきがうるさいなら録音しとけよ。」

奥様は

鬼の首を取ったかの様な顔で

「ハイ、ハイ、

今日はスマホに録音してますよ。」

ポケットからスマホを出して

ヒラヒラさせ

公開処刑ともとれる

録画再生スタートはタップされた。

暗闇に映る旦那の寝顔は

まるでB級ホラー映画ようだ。

数秒後

グゥォーーーーー‼️

グゥォーーーー‼️

グゥォーーー‼️

旦那は、一言…

「コレは、アウトだわ。」

それでは

今夜も

この辺で、、

素敵な週末を

good night…

ある夜の出来事 愛と青春の旅だち

朝は小鳥がチュンチュン鳴き始め

春の訪れが近いと感じる今日この頃

ふと、

思い出す御夫婦がいる。

 

その夜____

何度となく店内を覗き込み

〝チリーーーーン〟

「バーとか来た事ないのですが…」

「ぜんぜん、大丈夫ですよー。」

私は手のひらを見せて

カウンター席に御案内した。

男性はジントニック

女性は

「弱めのカクテルを下さい。」

軽いコミニケーションから

アマレットとオレンジを使用したカクテル

ボッチボールを提供させて頂く事にした。

二人は向き合い

小鳥が囁くように語り、笑う。

その後も

何度となく通って頂き

私からお声掛けさせて頂いた。

「いつもありがとうございます、お近くですか。」

「はい、大山町です。」

男性はヒロシ

女性はサクラ

会話の流れから

二人の馴れ初めを伺う事になる。

2011年3月11日

東日本大地震が発生した

当時、大企業は在籍したまま

福島県でボランティア活動する人を募集していた。

別会社の二人は

手を上げてボランティアに参加する

毎日、毎日、

泥だらけになり福島の復興を願った。

ボランティア最終日、

多少の会話はあったらしいが

もう

二度とサクラに逢えなくなると思った

ヒロシは

「あのぅ…すみません、よかったら。」

メールアドレスと名前の書かれた

メモ紙を別れ際のバスの中で手渡した。

二人は東京に戻り

会社勤めに専念する。

紙切れ一枚の

メールアドレスを頼りに

サクラはヒロシに連絡をとり

東京で再会、

交際に発展し結婚した。

ある夜の出来事 俺たちに明日はない、イヤある❗️

その夜_____

カップルに御来店頂き

会話から学生時代の友人と思われる、

男性は

ターキーのハイボール

女性は

ビールカクテルのシャンディガフをお召し上がりながら

職場での心労苦労を

讃えあう。

 

(中略)

 

会話は

パンデミック後に増えた

上司との飲み会話しへ

男性は

「このあいだもさぁ…」

上司と同期の男性二名で錦糸町のキャバクラへ

閉店までどんちゃん騒ぎして

御会計が十六万円、

上司が経費で落とすと言っていたが

後日、

落とせないと判明、

男性が一番楽しんでいたと言う理由から

上司に八万円支払う事になった。

女性

「マジでぇ〜…私も上司が

飲みに連れてってくれるけど…

一度も支払った事ないの。」

「私は、

仕事で恩返したいと思う。」

今夜も

この辺で

素敵な週末を

good night…