捕らぬたぬきの皮算用

〝まだ捕まえてもいない

タヌキの皮を売る事をあてにして、

儲けを計算すること〟

師走に入り…

タイガーにご来店いただく、

今年は

仕事をして夜になれば飲みに出かけ

それ以外は寝て過ごし、

金太郎飴のような生活だったと振り返る。

そんな、

タイガーは

年内の競馬を指折り数える。

昨年度は

七桁超えの増益から

今年は

大幅の減益に転じていると語る。

なんとか

有馬記念を含めた

今後のレースでプラスにしたいと

興奮気味に、

ワイルドターキーのハイボールを飲み干す。

タイガーの

今年の口癖は、、

勝てばなぁ…

アレ買って、

コレ買って

高級サウナで汗を流して、

「…捕らぬたぬきの

皮算用ですわぁ。」

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を

good night…

地球は女で回っている③

ルーリーはKing Gnuのライブに新潟へ(5月)

アンナはVaundyのライブに福岡へ(2月)

ナタリーはOfficial髭男dismのライブに北海道へ(1月)

今年もドラフルによくご来店いただいた。

その中でよく出た話が

推し活アーティストのライブチケット争奪戦の話、

ファンクラブに入っていても

近郊のライブ会場は残念ながら全て落選なるも

晴れて上記の2026年公演が当選した。

※ナタリーは二口のファンクラブに入会中でも関東エリアは取れない。

ただ、こうなるとよ…

航空券代、宿泊代、

平日ともなれば家庭や仕事のスケジュール調整も発生してくる。

最低でも一泊二日コースとなるも

せっかく行くなら、

グッズを先行発売からゲットして、

いい宿を探し、

「温泉もいーかもなぁ…。」

美味しいレストラン検索にも余念がない。

皆さん、

別々にご来店いただいたているのですが、、

口を揃えたかのように

「面倒な会議やら

大詰めの仕事があるけどライブを目標に頑張れる!」

少女のような

キラキラした瞳でカクテルを召し上がるのだった。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を

good night…

犬とドラフルのファンタジーな関係

ここ数年…不思議だなぁと思う事がある。

それは、

散歩中のわんこがドラフル前で立ち止まり

一点をジーーーーっと見つめるのだ。

飼い主さんが

「行くよ。」

リードを引くもわんこは踏ん張り

わんこはウィリーとなり両手をくるくる回し店内に入ろうとする。

「もう、ここはお酒飲むところだから…行くよ。」

時にはベターっと腹ばいになり動こうとしない。

こうなると、

飼い主さんが抱き上げての退散、

こんなケースが結構な確率であるのだ、、

一点を見つめるとは店内の中央辺で私ではない。

わんこの種類も大型犬から小型犬まで様々で

吠える事もなく尻尾をふりふり店内に入りたがるのだ。

飼い主さんから

「ここは、ワンちゃんOKなお店ですか?」

「いえ、お断りしてるんですよ。」

わんこが踏ん張る間の雑談で

各々の飼い主さんは

「多分、この木の扉の匂いが好きなんですよ。」

「お料理の美味しそうな香りがするからでは?」

「マスターは犬を飼ってますか?」

犬も猫も好きで実家では飼っていたが

東京に来てからは飼った事がない。

何度も言うようだが…

普通に散歩をしているワンコがドラフルの前で立ち止まり

ある一点をジーーーっと見つめるの姿が印象的なのだ。

わんこには

何が見えているのだろう。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を

おやすみなさい…。

ニューヨーク・シティ・セレナーデ

その夜、

カウンター男性二名とゲラゲラ与太話中、

少し迷いながら

バンダナを頭に巻いた白人女性と

編み込みツイストロングの黒人女性がご来店いただく。

「コンバンワ!」

「いらっしゃいませ!」

私は

奥のソファ席に案内した。

メニューをスマホで日本語→英語に変換しているのがわかる。

オーダーは

自家製ジンジャーエールとハス茶

制作しながら思い出した。

バンダナの白人女性は

二時間ほど前にドラフルを覗き込んでいたのを思い出し、

黒人女性と落ち合うドラフルを下見に来たと判断できた。

カウンターにいたプリンス(大学生)も交えて軽い談笑、

二人は

ニューヨークから来日中で、

バンダナ白人女性は観光、

編み込みツイスト黒人女性は

日本公演のメインダンサーと語った。

(マジっすか…)

名前を聞きたかったが、、

やめといた。

二人は

ドラフルBGMにイントロで喜んでいただけるので

私は

こっそりボリュームを上げるのだった。

「Joe!」

海外の若い方も

親の影響なのか古い音楽もよく知っている。

のちに、

お会計となりお見送り、

バンダナ白人女性は寂しそうな表情をして

今夜で

ラストナイトで明日はニューヨークに帰るという。

私は

思い出にとドラフル名刺を渡した。

外までお見送り、

朝日屋を曲がる角で

バンダナ白人女性が振り返り手を大きく振ってくれた。

「アリガトー‼️」

私も両手で大きく手を振った。

もしかして…

オレはニューヨークでも成立するのかと

錯覚してしまう夜だった。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な連休となりますように

good night…

物流問題2025年を思う夜

ドラフル前は

トラックがよく止まる。

この西原エリアは

道幅が狭くトラックが停車出来るところは限られるのです。

その一つに

ドラフル前、若干の道幅がありギリギリ交通障害にならないので

配送業者さんはドラフル前を拠点に荷物運びする姿を毎日何台と見かける。

「こんちわー!」

「すぐ退かしますんで!」

「ありがとうございました!」

「お邪魔しました!」

都度、私に

声をかけてくれるのも恐縮してしまう。

「どうぞ!ゆっくりやってくださいねぇ…

よかったら…おひとつどうぞ。」

時には、

飴ちゃんやお菓子、

アイスキャンディーを差し入れさせていただく。

昨今の物流問題2024年に始まりお察し通り

大変な事になっている様子を私は毎日、目の当たりにしている。

しかも、

この数年の酷暑で

ドライバーは制服の色が変わるほどの汗だく、

時に、

携帯電話は肩に挟んでクレーム対応しながら

伝票を仕分ける姿は正にプロフェッショナルだ。

そんなある日、

いつものドライバーさんが作業を終えて立ち去る時に

「あの…私ごとで恐縮ですが、

この度、定年を迎えまして

明日の大山エリアが最後で

西原は今日が最後となりましたのでご挨拶をと…。」

「マジっすか!

それはそれは、お疲れ様でした!」

かれこれ、

Sドライバーさんとは二十三年の付き合い

その昔、

私が梱包した規格外(バイクのマフラー)の箱を目の前に

頭をかきながら引き受けてくれた事もあった。

会話らしい会話はほとんどなかったものの

街ですれ違う時には挨拶していた。

Sドライバーさんは、

第二の人生を計画中だと微笑み退店、

トラックのエンジンがかかり

ラストランの配送トラックを見送った。

(ホント、お疲れ様でした…お元気で。)

翌日_______

同社の配送トラックが止まり、

ドライバーは変わっていた。

私は

「Sドライバーさん定年を迎えられたんですねぇ。」

「そうなんですよー…

定年が六十五って、

この先が長いよなぁ…。」

若手のBドライバーは

天を仰ぐのだった。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を

おやすみなさい…。

おかげさまで23周年!

暮秋の候

皆様にはお変わりなくご健勝のこととお喜び申し上げます。

さて、

Bar Dragon Fruitは

11月12日(水)で23周年を迎えます。

これも皆様に支えて頂き、この日を迎える事が出来ました、、

今後もご指導、ご鞭撻のほど、、、

ちょと…マスター!

固い話は

アレだけにしてちょうだい。

今年もありがとうございます!

ケース①

ディラン(30)は

「ドラフルはこの辺では一番長くやってるバーですかねぇ。」

私は

「いや、駅の向こう側にあるカエサリオンが一番長いね。」

待てよ、

西原、元代々木エリアでバーは一番長いかも。

ケース②

近頃は、

ドラフルより年下のお客様もご来店いただける、

そうなると…

ご両親は私より年下となるが共通点もあるのです。

例えば

ドラフルのBGMは全て私のセレクトですが、

「この曲、何でしたっけ。」

ミランダ(28)は子供の頃に

家族でドライブに出かけた時によく流れていた音楽だと教えてくれた。

アーティストや曲名と言うよりかは

音楽がそのものが染み付いているようだ。

ケース③

我々世代からよく出る話で

近頃の若者は

酒離れしているとの話も聞くけども、

ネルソン(26)に言わせれば

「飲んでる人は呑んでますよ。」

ただ、

飲む人の中でも二つに分かれていて、

パリピ的にただベロベロ酔うだけの飲み方と

ちゃんとお酒を覚えたい、

勉強したい人はドラフルのようなバーに行くのでは、

と教えてくれた。

ケース④

ジョンソン(34)は

「子供が三歳で

大きくなったらドラフルに連れて来たいのでそれまで頑張ってください。」

嬉しくも有難いお言葉。

こればっかりはわからない。

今夜も明日も周年日も

私は

店の買い出しをして、まかないを頂き、

おしぼりを巻いて、氷を割り、

カウンターを拭きあげ、

トイレ清掃をして仮眠十五分、

十八時、

ランタンに火を灯して

お客様をお迎えする。

これが二十三年間変わらないのドラフルなのです。

周年イベントはありませんので

気が向いた時にでも遊びに来て下さい。

それでは

引き続き二十四年目の

ドラフルもよろしくお願いいたします。

最初で最後の夜に…

その夜、

今時の若者にご来店いただく

「初めですけどいいですか。」

「もちろん、どうぞ。」

カウンター中央にご案内した。

オーダーはジントニックナポリタン。

男性は

代々木上原に三年住んでいたが、

駐在先がマダガスカルに決まり、

今夜は

引越しも終わり新宿のホテルの予約もしていたのだが

夕方に、

不要マットレスの回収業者が何らかの事情で来れなくなったので

急遽、自宅でもう一泊する事になり、

人生初の大黒湯(銭湯)に行って、

人生初のドラフルで一杯飲んで帰る途中だという。

「そーなんだ。」

先発で

彼女もマダガスカル島に行っており、

男性の実家も新潟なので

もう、

代々木上原には来る機会がないかなぁ…とも語る。

男性の仕事は

日本最先端の養殖事業で

マグロ、アラ、マス、サーモン、海老と研究しているという。

私は

うなずくばかりで

最新の養殖事業の話が聞けてよかった。

(中略)

男性はお会計を済ませて退店、

お見送りながら…

「…代々木上原の三年間は忙しくて外食に行けなかったので、

帰国したら結婚を予定している彼女と食事してみたいです。」

それでは

今夜もこの辺で、

素敵な週末を

おやすみなさい…。