ある夜の出来事 未知との遭遇

今晩は、店主の石原で御座います。

 

銀座スナックのママ、吉永(仮)さん、当店のお客様で、最高齢と思われる。

 

お店を早上がりした時に、御来店頂く事がございます。

 

いつものカウンター席、お座り頂く時は、僭越ながら私の手を添えさせて頂き、ゆっくりお座り頂きます。銀座と代々木上原の変わりゆく風景を長年、御覧になっている。

 

今夜は、私が一番、印象に残っているお話をひとつ‥‥。

 

当店から徒歩、十五分程の所に代々木八幡宮がございます。

 

近年、パワースポットとしても人気の神社となりましたが、十月の神無月になると、神様が出雲大社に向かう為の穴があるという。。

 

「えっーーー!」

 

と、私は、反応しますが、吉永さんは、淡々と話を続けます。

 

本殿からその穴まで向かう途中に小田急線、代々木八幡駅のメインの踏み切り (現在は、少し場所が、変わった)があり、線路で、穴をふさがない様にと、線路は、かなりのカーブになったのだと御説明を受ける。

 

「へぇーー」

 

実際に、そこに穴が、開いている訳ではないのだが、具体的な場所も教えて頂いた。もし、御興味がある貴方様には、こっそり、教えますよ。

 

驚いたのは、この神の道と、交差する代々木八幡駅の踏み切りでは、開業以来、一度も事故は起きていとの事だ。

 

吉永さん、かれこれ、七、八年御来店頂いていないが、先日、偶然にも街ですれ違った時に思わず声を掛けさせて頂いた。

 

「あら、まだお店、頑張ってるの?」

 

「はい。」

 

「そう、じゃ、また寄らせてもらうわね。」

 

と、優しい笑顔。どこか、神に近い存在ではないかと感じるのは私だけだろうか?f:id:bardragonfruit2002:20180422005936j:image