今晩は、店主の石原で御座います。
時に、バーは、別れ話のもつれから、何とか修復出来ないかと思う気持ちで、御来店頂く事もあります。。
その夜、二十三時を回った頃、ボックス席に、着席するなり
「ねえー、お願いだから!私の大切なお客様に、二度とあんな事しないで!!」
少しキレ気味。何だ?何だ?何やったんだ?と気になりますが、聞こえないふり‥‥。
彼女は、私に向かって、ニコッと笑顔で、
「えーと、アマレットジンジャーと烏龍茶、お願いしまーす。」
「かしこまりました。」
彼氏の方は、膝に手を当てて、がっくりと、うなだれたまま、ひたすら彼女の小言を下を向きながら、小さく、小さく、うなずく‥‥。
どうだろう‥一時間ぐらい経っただろうか、、
「私、もう、帰る!」
彼女が立ち上がった‥‥。
彼氏は、ゆっくり顔を上げて私を見ます‥‥。
「あのー、すみません、お会計、お願いします、、、。」
弱々しい声。
あちゃーぁ、かける言葉もない。
「かしこまりました。」
お会計を済ませ、お見送り。
駅に向かう二人の距離は、開いたままだ、、。
そうだなぁ〜‥私は、かれこれ、何千組のカップルを見てきましたが、厳しいだろうなぁー。
そう、私が思うに恋愛とは、良かれと思った事が、裏目にでる。
つまり、自分が、どう思うのではなく、相手が、どう受け止めるかによって、全ての物語は変わる。