ある夜の出来事 そして僕は途方に暮れる

今晩は、店主の石原で御座います。

 

時に、バーは、別れ話のもつれから、何とか修復出来ないかと思う気持ちで、御来店頂く事もあります。。

 

その夜、二十三時を回った頃、ボックス席に、着席するなり

 

「ねえー、お願いだから!私の大切なお客様に、二度とあんな事しないで!!」

 

少しキレ気味。何だ?何だ?何やったんだ?と気になりますが、聞こえないふり‥‥。

 

彼女は、私に向かって、ニコッと笑顔で、

 

「えーと、アマレットジンジャーと烏龍茶、お願いしまーす。」

 

「かしこまりました。」

 

彼氏の方は、膝に手を当てて、がっくりと、うなだれたまま、ひたすら彼女の小言を下を向きながら、小さく、小さく、うなずく‥‥。

 

どうだろう‥一時間ぐらい経っただろうか、、

 

「私、もう、帰る!」

 

彼女が立ち上がった‥‥。

 

彼氏は、ゆっくり顔を上げて私を見ます‥‥。

 

「あのー、すみません、お会計、お願いします、、、。」

 

弱々しい声。

 

あちゃーぁ、かける言葉もない。

 

「かしこまりました。」

 

お会計を済ませ、お見送り。

 

駅に向かう二人の距離は、開いたままだ、、。

 

そうだなぁ〜‥私は、かれこれ、何千組のカップルを見てきましたが、厳しいだろうなぁー。

 

そう、私が思うに恋愛とは、良かれと思った事が、裏目にでる。

 

つまり、自分が、どう思うのではなく、相手が、どう受け止めるかによって、全ての物語は変わる。f:id:bardragonfruit2002:20180516214647j:image