今晩は、店主の石原で御座います。
御来店頂いている小説家の奥様、洋子(仮)さん、先生が、夜から明け方にかけて執筆活動をされている間、邪魔にならない様にと外出します。
洋子さんは、
「別にねー、私はねぇー、お酒が、好きな訳じゃないのよ〜、夜中、安心して出掛けられるのは、バーしかないでしょう〜。ふぅーーー。」
煙草に火をつけて一服です。
二、三軒ハシゴをすると、口癖のように私に語ります。
「それは、それは、毎度ありがとうございます。」
更に、お客様が、誰もいないとなると
「あら、これは、大変!売り上げに貢献しないとねぇー、ねぇー、石原くん!」
「はい、毎度、ありがとうございます。」
私はカウンターに、おでこを
「ゴツッ」と、つけての最敬礼。
ただ、洋子さんは、どんなに楽しい状況になっても必ず、深夜二時には、御帰宅です。
それは、先生が、深夜三時ぴったりに、昼食のお時間なのです。
一分でも遅れる事は、絶対にないそうです。
食後、先生が明け方まで、執筆活動となる生活が、年の三百六十日ほど続くライフスタイルようだ。
「いやぁ〜洋子さん、これも、ひとつの夫婦の愛のかたちですねぇ〜」
「何、言ってんのよ、石原くん!じゃーねぇ、今度、お父さん連れて来るから!」
以前から、先生は、お酒を召し上がらないし、散歩も好きではないと聞いていたので、まぁー御来店頂く事は無いだろう。。
これが、何と、後日、先生と御一緒に御来店頂いた。
「えーーー、どーも、どーも、先生、お忙しい中、始めまして洋子さんには、何時もお世話になっております」
最敬礼。
何と、先生は、ネクタイ着用しての御来店。
「ここの、店の話は、妻から聞いてるよ。」
「それは、恐縮でございます。」
デュポンのライターを「シャリーン」と、いい音色を立てて一服です。
滞在時間、わずか、十分。
これから、自宅に戻られ執筆活動されるという。
実は、これがですよ、、、最初で最後の先生との会話になってしまいました。
この続きは、またの機会に、、今夜も御来店頂き、誠に、ありがとうございました。