ある夜の出来事 パラシュートが落ちた夏(後)

今晩は、店主の石原で御座います。

 

前回からの続きになります。

 

更に、さかのぼる事、五年程前の夏の夕暮れ時、当店のお隣は煙草の自販機が設置されております。

 

私は腰を曲げながらホウキとチリトリを使って、入口付近の掃除をしていると、

 

「シャン♫シャン♫シャン♫」

 

音漏れしたイヤホンをしながらコインローファーを

 

「カツ!カッツ!」

 

音を立てながら私の目の前を、(おっさん、邪魔!)ぐらいの勢いで、通過。

 

セーラー服を着た、ど金髪の女子高生が、全くの迷いもなく、自販機に百円玉を「チャリン、チャリン、チャリン」と入れて、〝マルボロ〟を「パッン!」と、押します。

 

「コトン。」

 

落ちた煙草を取り出し、鞄にしまいます。

 

私は、呆然と立ち尽くしたまま。。

 

「あのぅ〜、、お嬢さん、煙草は、まだ、だめですよぅ、、、。」

 

言う勇気もなく‥‥。

 

毎回、見て見ぬ振り。。

 

あれから五年、時は流れ当店にご来店頂いたという事です。

 

その後も何度か御来店頂き、当時の話をさせて頂いた。

 

「えーー、バレてましたーー!」

 

笑顔。

 

「そりぁ〜、目立つよーー、制服は、さぁ、、、。」

 

私も笑顔でお返し。その後も数年、御来店頂いたが、現在は、海外での生活を送っています。

 

人生には、色々な事が起こりますが、何も変わらないもの、、、それは、貴方様の歩き方かもしれません。f:id:bardragonfruit2002:20180817195859j:image