今晩は、店主の石原で御座います。
その夜も必ず出来上がった状態で、御来店頂けるアパレル会社の営業マン、その名も植木さん(仮)、長年の付き合いだが、素面の状態を見た事がない。
「どーもー、こんばんはーーー、福山雅治でーーーす。違うか!?いゃぁ〜ねぇ〜、マスター、ねぇ、ハイボール、一つね、ウィスキー、ダイスキーー。ガハハハハーーーー。」
今夜も絶好調だ。
とにかく、会話の全てを不発弾ギャグとダジャレで絡めてくる。
いゃぁー、お隣の席の貴方様は、適当に無視して頂ければ結構ですが!私は、そーいーう訳にはいかない。
「出ました!」とか
「参りました!」とか
「座布団、一枚!」とか
「もーーいーよー。」
作り笑顔の拷問となります。
ただ、一つだけですよ、一つだけ感服するのは例えば貴方様の出身地と年代から同世代のプロ野球選手をバンバン上げて名勝負をサラサラ語る事が出来るのです。
勿論、プロ野球に御興味が無いと、ダメですが、、。
プロ野球に詳しくない私でもうなずくぐらいだ。
この知識が、接待の席でお客様との距離をグッと縮めるのだろうと私は思う。
そんな植木さんも最近、パッタリ御来店頂けていない。
それは、それで少し寂しいのでこうやってペンを走らせるのかもしれない。
ぶかぶかのスーツに、煙草はバージニアスリム、キャバクラも好きだし、〆のラーメンも欠かさない。
平成も間もなく終わるというのに昭和の薫りが、プンプンの植木さん、多分、もう今後、現れない伝説の営業マンかもしれません。