ある夜の出来事 季節が君だけを変える

今晩は、店主の石原で御座います。

 その夜、十時を回ったぐらいだろうか?御常連の男性と与太話で盛り上がっていると、多分…、お初の女性が御来店

「いらっしゃ……」

 言いかけたところで、カウンター席に着席するなりうつ伏せに大号泣。

 

  何だ?何だ?何事だ?と、私と、男性のお客様は、顔を見合わせて(お知り合いですか?)と、アイコンタクト……。お互いに、首を横に振り(知らない…)と、サインを送る。うーん…。

店内には、わあわあと泣きじゃくる女性の声だけが響き渡る。後に、三、四分もしたら落ち着いてきた。顔を上げて、

「あのぅー、何か強いの下さい!」

 まぁ何とも…、これまた、目を腫らし、泣き疲れたお初のお嬢様です。

 

 ここで、大切なのは、本当に強いお酒を提供して、後に面倒な事になる事は、避けたいので、かなり弱めのカクテル〝シーブリーズ〟を召し上がって頂いた。

「ゴクゴク」

オロナミンCを飲むように、ほぼ一気飲みだ。すこーし、落ち着きを取り戻し語って頂きました。まぁ、簡単に言ってしまえば

〝告ったら…ふられた〟。

 会社の同期で、よく二人で飲みにも行くし、手を繋いで歩いたりするから…安パイと思っていた。なるほどー、よくある話だが、御本人様にとっては一大事、そりゃあ、そうだ…。

 人生初の彼氏が出来ると思い込んでいたから尚更のこと…。

とにかく、今の彼女の気持ちを、地引き網を引くように、優しく引きます。引き上げた、思い出の魚達を種分けをして、まとめに入る。

 後に、二時間もすれば笑顔になってきた。そんな彼女がだよ……。

三年もすれば、結婚と恋愛に悩む女性に、優しく問いかけ……、

「結婚がしたいのか?彼氏が好きなのか?どっちなの?」

と、バサァーーーーと斬り込む。時が、彼女を大人に成長させるのか?……時が、男に、期待をしなくなるのか?

どうなんでしょうねぇ?……。

考え出したら今夜も寝れなくりますからねぇ〜。

「えっ!全然、よく寝てるし、職場でもよく寝てる」

 最高じゃないですか!

 爆睡には、いい季節になりましたからね〜。それは、それとして、おやすみ前に、軽く、サクッと一杯、ドラフルへ!今夜も貴方様の御来店、こ・こ・ろ・よ・り・お待ち申し上げております。f:id:bardragonfruit2002:20181019023441j:image