その夜、黒縁メガネをかけた女性が入口で立ち止まり声がかかる。
「…あのぅ…ひとりですが、お邪魔しても宜しいでしょうか?」
「はい!どうぞ、どうぞ!楽にしてください。」
「失礼致します。」
余りにもかしこまっているので、ココからはどれだけリラックスして頂けるかは私の腕にかかっている。
「もしかして、お近くですか?」
「ハイ。」
(中略)
彼女の名前はクリス、会社の先輩のニコラから〝女子ひとりでも行けるバーよ〟と紹介してくれたようだ。ニコラは私が知る上で最強のアニオタ、クリスもアニオタ…。ニコラとは仕事を超えて話が合うとクリスに笑顔も出てきた!よーーし調子が出てきた!もう少し突っ込んでみよう。
「ところで、彼氏さんとかは?」
「いません…お付き合いした事もありません。」
「そうか、そうか、そのうち出来るよ。」
「…ちなみに、好きなタイプとかは…ある?」
「渡哲也さん♡」
「YOU!シブすぎるよ!でもオッサン的には最高よ❗️」