大和工芸とF1と焼きそばUFO

開店準備中は

暑いので冷房を入れますが

夕刻時のとなれば気温が下がり

オープンエアーに

そんな夜

男性一名に御来店、

物腰の柔らかさで

飛び込み営業と思ったら、

「あのぅ……石原くんですか。」

「…はい。」

「大和工芸のマーティンです。」

3秒

「ダイワコウゲイ、、マーティンサン?

マジっすか‼️」

(心筋梗塞で倒れるかと思った。)

私は

二十歳からの四年間、

大和工芸(名古屋)という、

ディスプレイ会社のデザイナ室で勤めさせて頂いた。

マーティンは営業部で

打ち合わせや展示会の設営、東京出張と公私共にお世話になった。

今夜は

東京出張でイベント会場のベイエリアから

ドラフルまで足を運んでくれた。

マーティンが企画してくれたプールバーでの送別会が最後なので

指折り数えて…

「三十一年ぶりだて!」

積もる話もあるが

先ずは

御着席頂き、、

「…ジントニックと石原くんも一杯どうぞ。」

乾杯、

お互い年を重ねたものの面影はある

あの人、

この人、

仕事、家庭、車、バイク、

「懐かしーて。」

「覚えとる、皆んなで鈴鹿にF1観に行ったよね。」

「あーーー行った行った、セナが亡くなる前ね、

爆音凄すぎて耳栓買ったわ。」

「そうそう、サーキットに食いもんなくてさ

一個の焼きそばUFOを分けっこして食べたな。」

「あったあった!」

脳裏の奥の底から

ジュルジュルと前頭葉に写し出される。

(中略)

それぞれの人生を歩みつつも

過去を爆笑しながら

語り合えるのはホント有り難く思う。

「じゃ…そろそろ。」

「ありがとうございます。」

握手してお見送り、

「石原くんも名古屋に帰ったらダイワに寄ってよ。」

「いいの。」

「もちろん!」

今、書いてて思い出した。

大和工芸の最終出社日のランチに

常務が運転するクラウンに乗せて頂き

ステーキあさくまでご馳走になったぁ。

それでは

今夜も

この辺で

素敵な週末を

おやすみなさい…。