その夜、
クリスにご来店頂く、
会社での出来事を語る。
「ホント、勘弁してほしいわ…。」
今回のプロジェクトで
一緒に働くA氏のスーツのズボン(尻)に親指ほどの穴が空いており
そこから白いのが見えるという。
「それは、ワイシャツって事?」
「いゃあ…
あの位置と無地感は白ブリしか考えられない。」
「マジっすか…。」
私は
想像するに耐え難い光景だと同感出来た。
クリスは
ピッチを上げて二杯目のハイボールを飲み干し更に語る。
A氏の仕事ぶりはさておき穴空きズボンでは
お客様前に出せないとため息をつく。
私は
「そりぁそうだわなぁ…教えたらいいじゃんの。」
クリスは首を横に振り
ここは
家庭や学校ではないの
身だしなみ以前の話を
指摘するのは、はばかれると語る。
「なるほねぇ…。」
数日後______
A氏は
相変わらず穴空きスーツで出社しており、
本人は愚か
家族や友人やもしやの彼女が指摘していない事に驚きを隠せない。
この頃からドラフルでは
A氏の称号は〝アナーキー〟となった。
二週間後_______
転職組の社内でも噂の美人バリキャリを交えて初打ち合わせとなった。
重々しい会議のなか
資料を手渡すバリキャリの
ブラウスの丈が数センチ上がった瞬間、
奇跡的な距離と角度で腰下の
白桃を包み込む眩いばかりの下着が拝めたとクリスは手を合わせ涙ぐむ。
ただ…
アナーキーの白ブリを相殺するにはほど遠いと語った。
それでは
今夜もこの辺で
素敵な週末を
おやすみなさい。