秘密の花園

当店のある代々木上原には

社宅がいくつかあります。

その中でも最大級クラスを誇るのが

某会社様の女子寮、

この春には

敷地内の駐車場を無くし部屋を増築、

セキュリティも更に強化して、

全国から採用された

約二百五十名を超える若き女子社員が暮らしている。

この女子寮には表札はなく

管理人が二十四時間体制で常駐しており、

親族や配達員までもが

入口外までしか入る事が出来ない。

言うまでもなく男子禁制、

送り狼が

入口ですったもんだしてると

防犯カメラにしっかり撮られ、

特殊部隊がすっ飛んで来るシステム、

私は

神聖なる女神の聖域と呼んでいる。

そんな女子寮を昨年卒業した

ジュリアとヴァレンチーナご来店頂く、

ジュリアは

代々木上原で一人暮らし、

ヴァレンチーナは

大阪転勤となり大阪の実家に戻った。

今宵は

二人が好きな宝味八萬(代々木公園駅)の小籠包をつまみに、

ジュリア宅で宅飲みをして〆の一杯にドラフルを選んでくれた。

ジュリアは

クルミのリキュール(ノチェロ)を使ったデザートカクテル

ヴァレンチーナは

フレッシュピンクグレープフルーツを使ったオールドスタイルのソルティドックをチョイス。

久々の再会となり

積もる話は切れる事がなかった。

(中略)

明日の予定を思うと

そろそろ…お開きの様子、

ヴァレンチーナはジュリア宅に泊まっていくのと思いきや、、

「今夜は女子寮に泊まるんです。」

「へぇー

そんなゲスト枠があるんだ。」

ヴァレンチーナは

スマホを開いて部屋を見せてくれる。

そこには、

女子寮と同じくベッド、トイレ、バスルーム、冷蔵庫と一式を完備してある。

ヴァレンチーナは微笑み、

「一泊、四千円なんです!」

「ほりぁ…ええわぁ‼️」

ちなみに…

ドラフル近くの

週末、ア◯ホテル、一泊のお値段、

二万四千円超え…。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を

お休みなさい。