ちくわ泥棒

その日の午後も

自転車で買い出しに出かける。

自宅から

世田谷代田→下北沢→富ヶ谷のロングコース。

その日は、

他店で買った長ネギが

エコバッグから突き出しているので、

誤解を招かないように

自転車のかごにバッグを置いたまま、三軒目の店内に入ると

外から

おばちゃんの大声で

〝ぎゃーぎゃー〟聞こえる。 

何事かと振り返ると

私の自転車のハンドルに

足を乗せたカラスが

エコバッグから何かを咥えて飛び去るところだった。

慌てて自転車に駆け寄るも遅し。

「これ、あなたの自転車?」

「そーです。」

「カラスが何か持って行ったわよ。」

バッグを取り出し確認をすると…

(ちくわだぁ…)

空を見上げるとビルに囲まれた狭い四角い空、

それ以来、

チャク付きのバッグにしている。

長ネギがバッグから飛び出して他店に入る場合は、

(スンマセン、このネギは他店で購入済みです。)

的なアイコンタクトを送るようにしている。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を、

おやすみなさい…。

MAD MAXご来店の巻

その夜、

開店前に大きな台帳を持った警察官(以後マックス)がご来店。

警察手帳を縦に広げ、

「いゃ、事件じゃないですよ。」

住民台帳のアップデートをしているので確認をして欲しいとの事、

マックスは

カウンターに台帳を乗せて読み上げる。

「えーっと…

ここは、ドラゴンフルーツの…石原さんで変わってないですか。」

「あっ、はい。」

その台帳を見せられると、

私の筆跡で

当時の住所、世田谷区代田一丁目…◯◯とある。

「これ、、二十年前のですよ。」

それならと、新しい台紙に

住所、連絡先、緊急連絡先、営業時間など書き込んで完了した。 

マックスは台帳を閉じると、

私の目を見て

「最近、困った事ない?」

「困った事?どーだろ。」

何かある方が会話が成立すると思い考えていると、

「いゃねぇ…最近、この近辺で空き巣に入られてるケースがあるんでね、

ちょっと、入口を見せてくれる。」

「どうぞ、こちらです。」

私は

裏口まで案内をした。

陽も落ちて真っ暗、

マックスはショルダーから懐中電灯を逆手に持ち扉を照らす。

「マスターねぇ…鍵が一つだから、

大家さんに言って鍵を二個にしてもらって。」

「えっ?店に現金も金目の物も無いですよ。」

「マスターねぇ…ドロボーはそんなのは関係なく入るから。

ドロボーが扉を壊されても修理代がかかるでしょ、、

そうさせない為にも鍵を二個にするのよ、

抑止力になるから。」

「なるほど…。」

店内に戻り、

マックスは黒板のフードメニューを目をやり、

「食事もあるのね。」

「えぇ…はい、多少ですけど。」

(沈黙)

マックスは

思い出したかのように

「スマホある?」

「はい、あります。」

「このアプリを登録してくれる?」

チラシを一枚をカウンターの上に置いた。

そこには

アイドル女子が微笑む警視庁防犯アプリとある。

どうやら、

〝後で登録します〟ではなく、

今、登録してよ的な感じだ。

このあたりから

警察官を装った詐欺師で

スマホのデーターを抜き取る取られる新たな犯罪かもと思い始める。

(…住民台帳は本物で間違いないしなぁ、、)

若干、

慎重な様子を醸し出しながら

カメラでQRコードを取得すると数分で

警視庁防犯アプリの登録完了した。

(本物だわぁ。)

雑談しながら一時間のドラフル滞在、

マックスは

代々木上原の派出所に駐在してから

人の良さに、

この街が好きになりより良くしたいと語る。

「何かありましたら、

110でも派出所にでも連絡して下さい。」

敬礼して退店され、

私も敬礼してみた。

ちなみに鍵は二つになりました。

それでは

今夜もこの辺で警察ものといえば、

踊る大捜査線、

古畑任三郎、

危ない刑事、

刑事コロンボ、、

などなど星の数ほどの名作がありますが、 

私は

マッドマックス(1979)ですねぇ。

素敵な週末を

good night.

バーは大人の社交場である(2026夏)

その夜、

ドラフル開店当初からご来店頂いているショーンと

昨年から

ドラフルにご来店いただいているディビットが

偶然にカウンターに同席した。

その歳の差は六十ニ才。

商社時代のショーンは

世界中を飛び回りお酒とは切っても切れない関係だったが

今年に入ってからお酒を絶っておりノンアルコール、

ディビットは

最近覚えたお気に入りカクテル、マリブコークをチョイス。

(中略)

ショーンは

「若い人はこれからの人生が楽しみだね。」

ディビットは

「いゃぁーーー。」

頭をかきながら照れている。

二人とも社交性が申し分ないので、

私がとやかく繋ぎ役をしなくても

心地よい会話が成立している。

そろそろ、

宴の終盤の雰囲気になったところで、

ディビットが

「人生の後悔?というか…やっておきたかった事って何かありますか。」

ショーンは

真面目に質問してくれたディビットに真剣に答えようと…

腕を組み回想、、、

「…イタリア語かなぁ。」

ディビットは

「今からでもいけますよ!」

ショーンも頭をかくのだった。

それでは

今夜もこの辺で

ラスト一曲は、、

夏本番!

〝シティ・ポップの女王〟の名高い

杏里さんから…

素敵な週末を

good night.

夏のヒロインはロックTシャツで、よろしく

その夜、

若めな男性三名、女性一名にご来店いただく、

自家製ジンジャーのモスコミュールふたつに

軽めのハイボール、

カイピリーニャのオーダー。

数分で完成させて乾杯となる。

聞こえる会話から

端っこの男性が海外勤務からの一時帰国で、

地元の同級生達との再会を楽しんでいるようだ。

時より

私も会話に参加させて頂き

気付いた。

女性のTシャツが

1980年代に黄金期を迎えた

アメリカンロックバンド、

ガンズ・アンド・ローゼズのTシャツなのだ。

ファンですか?と聞いてみたいが

同級生との会話を切ってしまうのでやめといた。

後にお会計となり、

お見送りすると、

たまたま、女性が最後となり背中には、

ワールドツアーの記してある。

私は

ここぞとばかりに、

「…このぉ…ガンズのTシャツどうしたんですか。」

女性は

「代々木八幡のビンテージTシャツ屋で買いました!」

値段を聞いて驚いた…

「マジっすか!」

女性は

ガンズ・アンド・ローゼズはファンでもないし、

曲も知らないという。

「でも、お似合いですよ。」

「ありがとうございます。」

男性三名も何の話?と、、

ガンズの事は誰も知らなかった。 

それでは

今夜もこの辺で

ラスト一曲は、

ガンズですねぇ。

素敵な週末を

good night…

全東信と歩んだ十年を振り返る

その夜、

ニュースサイトから

全東信(クレジット決済代行会社)破綻したと、

フェイクかもしれないと裏を取る

…間違いないようだ。

2002年______ 

ドラフルがオープンした頃のお会計は現金のみだった。

週末や連休で銀行でお金を下ろせなかったお客様は

駅前のセブンイレブンで下ろすのが主流だった。

一年ぐらい経った頃から

「クレジットカードって使えますか。」

聞かれる事が増えてきた。

「使えないですよー。」

なら現金でと、何のトラブルはなかったが、、

ある深夜、

一見さんカップルの

会計時に男性から

カードを出された時、

現金のみと伝えると、、

「この雰囲気でカードを使えないのはダメだろ!」

一喝された。

まぁまぁな酔いどれなので

「駅前のコンビニで下ろせますよ。」

と言う雰囲気でもなかった

他の方法はあるかなぁ…と考えていると

彼女が

微笑みながら一万円を出して、

「これでお願いします!」

お会計が済むと、

彼女がヨタヨタの彼氏を抱き抱えるように退店。

彼女だけが振り返り

「ごちそうさまでした!」

「こちらこそ、ありがとうございました。」

感謝のウィンクと合掌をした。

この出来事が

クレカ端末を導入する決め手となった。

その前から

クレカ決済業者の飛び込み営業が増えていた。

当時は、

全東信か有線音楽(現USEN)

飲食業界での知名度は

全東信があったので契約をする事にした。

それなりの書類はあったと思うが審査という感じでは無かった。

現在のドラフルの決済業者は

楽天ペイ、Airペイ(リクルート)、ハチペイ、PayPay、KPay、

各社とも

運転免許証、営業許可証、

店内の写真、外装、年商などなど、、、

約款もそれ相当なページ数がある。

2014年頃_________

手数料や入金サイクルを考慮すると、、

全東進は使用しなくなっていた。

その日も開店準備中、

抜き打ちかのように全東信の担当者がご来店、

「最近、弊社の決済がされていないので端末の確認に来ました。」

私は

アンプの上にある御社の端末を見せ、

恐縮しながらアプリ決済に移行していると答える。

担当者はうなずき、

(ここもそうかぁ…)

心の声が聞こえた。

ただし❗️

アプリ決済は

Wi-Fiの環境が整っていないとネットワークエラーになる。

その点、

全東信の端末は電話回線なので

エラーになる事がなかったし、

決済が秒で完了しチリチリ紙の控えも渡せた。

私が思うに、

Wi-Fi環境が不安定な店舗(例えば地下とか奥まったところ)は、

現在まで、

電話回線の全東信を使用されていたと思う。

まとめ

全東信には

設置から修理やロール紙の手配までよくして頂き感謝しております。

ドラフルの第二から第五世代を支えてくれた端末でもありました。

だんだんと、

チリチリ紙のお客様の控えも受け取らない方も増え、

環境保全からもペーパーレスが進みアプリ決済で完結するようになった。

今年に入ってから

チリチリ紙の控えが欲しいお客様が増えてきた…

時代は繰り返すのかもしれない。

それでは、

今夜もこの辺で

ラストの一曲は夏本番!

鈴木英人さんのイラストが夏を感じさせる

達郎さんの名曲です。

素敵な週末を

good night…

閃きは夜に舞い降りる

その夜、

中年男性三名にご来店頂く、

「あとで、二人来ます。」

ボックス席の

レイアウトを変更していると

若い女性が二名ご来店で

男性のお連れ様と判断出来た。

各々、

ウィスキーやカクテルをご注文。

聞こえる会話から

男性の娘さんとその友人だった。

男性三名は

代々木上原の笹銀で呑んで、

娘さん達もたまたま代々木上原で食事をしていたという。

それならと

どこかで合流して飲もうとなり、

ドラフルを選んでくれた。

(中略)

就活中の娘さんは下座に座るパパに

「パパの会社に入りたい!」

パパは腕を組み直し

「…無理。」

はっきりと言った。

「…ダメかぁ」

落胆の雰囲気はあったがどこか

納得しているようにも見えた。

後にお会計となりタクシー待ちまでの雑談、

娘さんは

代々木上原が好きなのは

カフェやレストランに

テラス席が多いところだという。

私は翌日から

コロナ禍以来の

テラス席を設置することにした。

それでは

今夜もこの辺で

そろそろ関東も梅雨明けでしょうか。

1981年発売の夏の定番

ビギン・ザ・ビギンでお別れです。

素敵な三連休となりますように

おやすみなさい。

乗るべき列車は一度しか通らない

その夜、

ノーゲスの店内、

男性二名にご来店、

何らかの熱い会話をしながらご来店、

「…二人です。」

「お好きな席へどうぞ。」

カウンター席中央あたりにご着席頂く、

白州のハイボールと

山崎のハイボールをチョイス。

乾杯もそこそこに

熱い会話とは

2026年FIFAワールドカップ北米大会を

現地で観るための打ち合わせのようだ。

今回が最後かもしれない…と、

アルゼンチン代表の

リオネル・メッシをこの目に焼き付けたい思いが二人にはあるようだ。

スマホを片手に、

初戦のアルジェリア戦の

チケット代は

ダイナミックプライシング(変動価格制)で

開催前にも関わらず既に四十万円と高騰中…

ハイボールを飲み干して

「ラストメッシが見れると思えば高くないな。」

相方もうなずく。

杯も進み

試合の合間にゴルフをしたいと言うが

移動時間を考えると

そんな時間はないと却下されていた。

後にお会計となり

お見送りしながら

にわかの私は

「メッシ選手、観に行かれるんですねぇ。」

「はい、もー…ピークは超えてますけどねぇ。」

少し照れながら退店。

グループJ

アルゼンチン対アルジェリア

日本時間

6月17日(水)午前10:00キックオフ

カンザスシティスタジアム(アメリカ)

メッシは

前代未聞の6大会連続出場を達成すると

歴史に残るハットトリックをも成し遂げた。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を

おやすみなさい…。