ウェイティイングバーで春を待つ

オープンして十分、

男性一名に御来店頂く

「これから、食事なので一杯だけいいですか。」

「もちろん、どうぞ。」

カウンター席にご案内して

シェリートニックのご注文頂く。

「お近くですか。」

「初台です、でも…

四月に移住するんです。」

引越しではなく移住というワードに決意を感じた。

(中略)

男性は

東京出身三十代、妻と子供三人の五人家族

男性は中学、高校と宮崎県に住んでた事もあり、

妻と何度となく話し合った結果、

四月から宮崎県への移住を決めた。

まずは…

住宅ローンの返済がなくなり、

気が楽にり利益もでた。

宮崎県の生活費は東京の半分、

自然も豊富で

海も山もあり食材も安くて美味しい。

子供が小さいうちの方がいいと思い

移住を早めたと語る。

二杯目の

白ワインカクテルのスプリッツアーを

飲み干して腕時計に目をやり

「お会計お願いします。」

お見送りながら

男性は独り言のように

「とはいえ…

これから色々あると思なぁ。」

お見送りする後姿を拝見しながら思った。

不安材料は先手、先手で先回りして

どんどん潰して解決する、

彼だから成しえる家族思いの移住計画なのかもしれない。

それでは

今夜も

この辺で

素敵な週末を

おやすみなさい。