ある夜の出来事 TOKYO GIRLS COLLECTION

今晩は、店主の石原で御座います。

 

その夜、二十ニ時を回った頃、誰もいない店内で、私は、大海原出航一歩手前、ボーーーっと口を開けて、アホ面をしていると、

 

「チリーーン」

 

と、ドアベルが鳴ります。

 

目線を入口にやると、ドアから顔だけ入れた女性が‥‥店内を見回しながら

 

「あのぅ‥‥すみません‥、これから、十七人とか、入れますか‥?」

 

と、少し、慌てているけど優しい問いかけ、

 

「えぇ、っと、大丈夫ですけど‥‥椅子が少し足り無いかもですが‥‥」

 

「いいです!いいです!お願いします!」

 

と、後に、先程の女性を先頭に、続々と御来店、これが、何と、全員女性だ。どうやら、上座に座る女性の送別会の二次会のセッティングがされていない事に、気づいて慌てて当店を選んで頂いた様だ。

 

よーし!と、私は、いきなりフルスロットル状態に持っていきます。

 

ドリンクオーダーは、十七種類‥、任せて、ちょんまげ!トランプゲームの〝神経衰弱〟となりますが、上座に座る女性の

「響のロック」

 

だけは、絶対に外せないカード、一番にお渡しして、後は

 

ジントニックのお客さま〜」

 

キールのお客さま〜」

 

「カシスソーダのお客さま〜」

 

と、全員に、ドリンクが行き渡るまでが勝負、この場では、質よりもスピードを重視します。

 

茶髪の女性が

 

「はーい、みんなー揃ったねぇー、では、おつかれさまでしたーーー」と乾杯。

 

「チン、チーン、イェーーイ♡」と店内に響きます。

 

スローモーションで見れば、海外のシャレオツなPVのように見えます。

 

いゃ〜こんな楽しい夜は、手酌で、一杯頂きますよ。

 

おい、おい、おい、なんや!この話、ただ、お前が、楽しかった、自慢話やないかい!ハイ!サーーーセーーーン!f:id:bardragonfruit2002:20180323020651j:image