ある夜の出来事 うに丼

今晩は、店主の石原で御座います。

 

 その夜、二十代前半のカップルが当店の前で迷っていましたが、彼女が彼氏に(入って!入って!)と、背中を押されながら彼氏の方から先に「チリーーン」と御来店。

 

「いらっしゃいませ!どうぞー、お好きな席へ‥」

 

と、こちらも笑顔で手招き、おしぼりとメニューをそれぞれにお渡ししてオーダーを待ちますが、か・な・り・落ち着きがない。

 

「パラパラ」と、メニューをめくる音だけが店内に響きます。

 

私は、「もしー、わかんない事あったら遠慮なく聞いて下さいねぇ〜」

 

と軽めのお声掛け。後に、沈黙を破ったのは彼女の第一声

 

「あの〜ぅ、うに丼、ありますか?」

 

私「うに丼!?あーーー、それは、お隣の※〝青〟さんですねぇ〜」

 

彼氏は、下を向いたまま彼女に目配せをして、おしぼり使ったし‥今日はここにしよう、的な顔をしてます。

 

「いやいや!全く、お気遣いなくと、ご案内しますよ」

 

と、店外へ、あーそうだ、今日は、定休日。

 

うーん、私は彼女に

 

「今日は、う・に・モードだよねぇ!」「ハイ!」と、即答。

 

そうだよなぁと、うにが、ありそうな近所の居酒屋を二、三軒紹介しました。

 

無事にうに丼にたどり着いたかは、定かではございませんが、見送りながら腰に手を当てて、天を仰いだ夜の出来事でした。

 

※青、2002年(当店と同期)より、代々木上原で超人気店の和食居酒屋、月替りに変わるメニューは、季節感溢れる構成、日本酒、焼酎とも、こだわりのラインナップです。もちろん、うにいくら丼は、人気メニューのひとつです。私も、〆に頂いた事がございます。f:id:bardragonfruit2002:20180329030305j:image