ある夜の出来事 猫もまたぐニシン

その夜_____

オープン初日(2002年11月12日)から

御来店頂いているブルースが

四年ぶりに御来店

当時は

当店の上に住んでおり毎日のように

呑みに来てくれた。

「ヒサちゃん元気だった?」

「はい、おかげさまで。」

北海道出身のブルース

ハイボールを片手に

釧路で過ごした

幼少期の思い出を語ってくれた。

蟹は漁師網を切ってしまうので

取っては破棄されて

どちらかというと天敵扱いだった。

今となっては

北海道産のタラバ、ズワイ、毛ガニ、花咲、

超高級のカテゴリーに分類され

私が説明するまでもない。

ニシン

トラックに山積みされたニシンが

舗装されてない道を走ると

ポロポロ落っこちて

通学路のあちこちにニシンが落ちていた

その由来から

〝猫もまたぐニシン〟

とまで言われたそうだ。

それが現在、

北海道産の

ニシンは取れないという。

ニシン蕎麦、ニシンの甘露煮、

これまた高級料理に分類され

御節料理に外せない

ニシンの卵、数の子

その一つかもしれない。

そんな私も

高校時代と日デ専門学校の四年間を

名古屋近鉄百貨店の

魚屋でバイト(時給600円)をしていた。

記憶をたどり…

当時の価格は

鰻の蒲焼大(愛知一色産)一尾680円

カツオ大(焼津産)丸1200円

サンマ大(根室産)一尾100円

本マグロの刺身盛り400円

イカのお造り380円

活あさり(三河産)100g 100円

真サバの塩焼き一切れ100円

銀ムツの西京焼き一切れ150円

鰻以外は

全て天然物

養殖とか冷凍の概念が無かった気がする。

百貨店なので魚屋だけが使う隠語もあった。

トイレ小

「ハト行って来ます。」

トイレ大

「キジ撃って来ます。」 

それでは

今夜も

この辺で

素敵な週末を

good night…

PVに出てくるトラックは

シボレーC10(1960〜1966)

ベンチシートの三人乗り、、

痺れます。