ある夜の出来事 さらば青春の光 (後)

今晩は、店主の石原で御座います。

 

前回からの続きになります。

 

どうやら、同期十ニ、三人の飲み会に参加して、全く、土地勘のない都内で一人、はぐれてしまったとの事。

 

「それで、どこから、来たのかもわからないと‥‥」

 

「はぃ‥‥」

 

自宅は、田園都市線溝の口」始発までニ時間以上、明日も、出動だ、、そりゃあ大変だ‥‥。

 

ため息交じりに立ち上がり

 

「渋谷駅は、どっちですか?」

 

と、言われても土地勘がない彼には、説明が出来ないので

 

「方向的には、だいたい、こっち!」

 

と右腕を真っ直ぐに伸ばして、後は、すれ違う人に尋ねなさいとアドバイス

 

「…あの〜呑めなくて、すみませんでした‥‥」

 

「いーーーんだよ!」

 

と肩を叩く、なんだか、凄く嬉しかった事を覚えています。

 

ヨロヨロと、歩き出し、代々木上原の住宅街に消えていく彼の背中は、相変わらず白シャツが、片側だけ出てるし、革靴は踏んでいる。。

 

名前も聞かなかったけど、面白いやつだったなぁ〜元気に楽しく過ごしているといいなぁと、思う数年前の春の夜の出来事でした。f:id:bardragonfruit2002:20180411203912j:image