今晩は、店主の石原で御座います。
前回からの続きになります。
どうやら、同期十ニ、三人の飲み会に参加して、全く、土地勘のない都内で一人、はぐれてしまったとの事。
「それで、どこから、来たのかもわからないと‥‥」
「はぃ‥‥」
自宅は、田園都市線「溝の口」始発までニ時間以上、明日も、出動だ、、そりゃあ大変だ‥‥。
ため息交じりに立ち上がり
「渋谷駅は、どっちですか?」
と、言われても土地勘がない彼には、説明が出来ないので
「方向的には、だいたい、こっち!」
と右腕を真っ直ぐに伸ばして、後は、すれ違う人に尋ねなさいとアドバイス。
「…あの〜呑めなくて、すみませんでした‥‥」
「いーーーんだよ!」
と肩を叩く、なんだか、凄く嬉しかった事を覚えています。
ヨロヨロと、歩き出し、代々木上原の住宅街に消えていく彼の背中は、相変わらず白シャツが、片側だけ出てるし、革靴は踏んでいる。。
名前も聞かなかったけど、面白いやつだったなぁ〜元気に楽しく過ごしているといいなぁと、思う数年前の春の夜の出来事でした。