渋谷発…銀河鉄道の夜に

その夜

鉄道会社に勤めるルイスが

御連れさん三名の計四名で御来店頂く、

入口側のカウンターから横並びで御着席した。

「ご無沙汰です。」

「お元気そうで!」

ルイスは

昨年末に代々木上原から

広尾に引越してから初訪問となった。

ルイスは

「御覧の通り、そこの代々幡斎場で告別式がありまして…。」

右手で斎場の方を差した。

ネクタイは外しているが皆さん喪服だった。

代々幡斎場は

当店から徒歩約二十分なので

葬儀の帰りに一服がてら御来店頂く事もある。

話を戻しまして…

各々、

オーダーを頂く

「はい、知多のロック。」

「宮城峡のハイボール。」

タリスカーの水割り。」

ラフロイグのロック。」

故人を偲び献杯して

グラスは

軽く持ち上げるだけとなった。

そーーは言っても

やはり、

故人との思い出話で花が咲き笑いが絶えないご様子、

(中略)

ご案内役のルイスは終電もありますし…

「そろそろ、帰りますか。」

と、〆のサイン

ルイス以外の三名は

代々木上原には一度も来た事ないようで

お会計をしながら聞こえた…

「ルイスはさぁ…さっきのレストランも

このバーもいい店知ってるよねぇ。」

ルイスは、微笑み

代々木上原は、いい街ですよ。」

それでは、

今夜もこの辺で

素敵な週末を

おやすみなさい…。