ある夜の出来事 ネタ職人 下

今晩は、店主の石原で御座います。

 

前回からの続きになります。

 

電話の内容は、番組内でスタッフ、一名の欠員が出たので協議の結果、ネタ職人の彼に、白羽の矢が立ったとの事のようです。

 

「ヘェ〜」

 

「怪しいと思わなかった?」

 

「いえ、ディレクターの名前は、番組内でもよく出てくるので間違いないと思いました。。」

 

「ヘェ〜」

 

後に、都内ラジオ局で、憧れのナビゲーター、プロデューサー、ディレクターさん達との初顔合わせ、面接、採用となったそうです。

 

仕事ぶりも好評で、今日では送られてくるネタをチェックするまでになったそうです。

 

「ヘェ〜」

 

更に、他の番組や深夜のアイドルの台本を手掛けたりと、放送作家として忙しくなり、今までの生活とは、百八十度ひっくり返る好転ぶりに自宅までたどり着かなくなります。

 

時には、番組のスタッフと朝まで呑む事もしばしば、そんなこんなで、週の半分以上は、マン喫で寝泊まりする様になったそうです。

 

毎食のコンビニ弁当からも解放され、お金も少しずつ回り始めたので、ここらでいっちょ、都心のマンションへと思ったそうです。

 

「なるほどねぇ〜大したもんだよ、カエルのしょんべん!」

 

もう数年前の事ですが、よく覚えています。全く、浮かれてる様子も無く好感の持てる青年でしたねぇ。

その後は、御来店頂けていないのでわかりませんが放送作家として、世に出て来るのが楽しみとなりました。f:id:bardragonfruit2002:20180319201533j:image