ある夜の出来事 終電からの風景

     平日の深夜一時十分頃…当店の前を人々が家路へと、続々と通過する。

  それは、小田急線〝新宿発経堂行き〟最終列車が、代々木上原駅に、到着した事を表す。

 明日に備えてなのか、眉間にしわを寄せて早歩きのサラリーマン…煙草の火は、しっかり消えるまで屋外灰皿にねじ込んでいる。

  ガリガリ君を頬張りながら携帯電話で、ゲラゲラ笑い飲み会帰りのOL。

  コンビニ弁当が、垂直になり、詰めの甘さを感じる新人、歩きスマホも危ないですよ、、

〝おいおい〟平日からベロベロじゃないですか…蛇行しまくりの近所に住む鈴木さん。

〝うん?〟

当店には、御来店頂けていない女性だが、独特なヒール音で、店の前を通過するので、つい目で追ってしまう。

     今夜に限っては、ちょいと、様子が違う…腕を組み、うつむき加減に、ヒール音も元気がないまま通過していく、、

   その夜、女性が、店の前を〝行ったり、来たり〟迷っていたが、、

「一人ですけど、いーですか?」

「お気軽にどーぞ!」

スマホをいじる様子も無いので、

「お近くですか?」

会話のきっかけを作る…長野県出身、社会人三年目の夏、、〝転職したい〟と悩み始めていた。

同席した女性も巻き込んでの人生相談、、。

「また!来まーーす!」笑顔の退店

 

     〝一人呑み〟を覚えると、こんなに楽で、楽しい事はないと気付いてしまうのだ。

    そんな貴方様のデビュー戦は、是非、〝代々木上原バードラゴンフルーツ〟へ

   御来店、こ・こ・ろ・よりお待ち申し上げております。  f:id:bardragonfruit2002:20190810010327g:image