ある夜の出来事 青いパパイヤの香り①

今晩は、店主の石原で御座います。

  当店のコンセプトは、〝ベトナムリゾートスタイルバー〟ホイアンの提灯、バンブー家具、サイゴンスペシャル(ビール)、ネプモイ(ウォッカ)、ベトナムコーヒー、、都心に居ながらもリゾート気分を味わえる、、的な、、。

  事実、ゲリラ豪雨で、床上浸水(30センチ)、お客様…コレは、コレで大喜び!〝ジャバジャバ〟裸足で、足をぶらぶら。

「マスター、マスター、ほら、海辺のバーに居るみたい♡」

  冗談はよし子さん、ズボンをたくし上げ、必死に、水を掻き出した事を思い出します。

 

話を戻しまして、、

 当時のフードは、全て、ベトナム料理…生春巻き、揚げ春巻き、空芯菜ニョクマム炒め、バインミー(サンドイッチ)、フォーガー(鷄の米麺)、焼きビーフン、鷄肉の焼きつくね、なます、などなど、ございましたが!……時が流れリストから外れてしまった。

  昨今は、良くも悪くも…定着してきた。そこで、勝手に、フードランキング……第5位!

 

《粗挽きチョリソー》

 

  そんな夜、、

「一番、早く出来る、おつまみは?」

「この、ハイボールに、合うおつまみは?」

「この時間なので、ガッツリ系以外で…お腹に、たまるものはありますか?」

そんな貴方にお勧めなのが、お肉屋さんが作る〝粗挽きチョリソー〟でございます。

お好みで、粒マスタード、ケチャップをつけてお召し上がり下さい。ハーフサイズも出来ますので、遠慮なくお申し出下さい。

 

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ある夜の出来事 キャッシュレス5%還元!

 今晩は、店主の石原で御座います。

その夜、、

デビットが、白州ハイボールを呑みながら…

「絶対、ドラフルも加入した方がいいよー、、お客さんにも事業者にもメリットあるからさぁ。」

 

  申請から、約二ヶ月、、やっとこさ、世間様の波(オフショア、セット、モモ)に、乗れた感じです。晴れて、12月1日(日)から対象店舗になりました。経済産業省から完全に、忘れられてると思っていましたよー。

 このシステム系に携わっている皆様、大変だと思う…お休み、取られてますか?

是非、当店で、〝お疲れ一杯〟して頂けたらと思います。お支払いは…もちろん、、

「カードですねぇ」

 

  坊主も走る12月、ひと息、一服、今夜も…貴方様の御来店、心よりお待ち申し上げております。

 

※対象決済方法は、各社クレジットカードのみです。

  電子マネーQRコード、その他、不可になります。

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ある夜の出来事 踊る阿呆に見る阿呆

今晩は、店主の石原で御座います。

 金曜日の営業が不発に終わった夜は、そそくさと片付けて、タクシーを止めて、

 「六本木までお願いします。」

  アマンド前で、タクシーを降り芋洗坂を下りきったところにある…〝クラブカスティージョ〟(現在は、閉店)入口には、プロテクターを着用し、警棒を持った大男(店長)に、

「トムの知り合いです!」

うなずきながら、重い扉を開けてくれる。

  この店は、誰かの知り合いでなければ入店出来ないシステム、店内に入れば別世界。〝ガンガン〟のダンスビート、、。先が、見えないぐらい人だらけ、外国人も結構いる…お客さんの肩や背中を軽く叩きながら、奥のカウンターに向かう。揉みくちゃになりながらバーカウンターに到着、忙しそうなトムを発見する。

 

ここで、毎回、毎回、気付く…大音量の店内…お互いの〝耳を舐めてるのか?〟の勢いで、大声で語り合う。

「おーー!ひさやーー!みせ!おわりーーー?」

「はーーい!あーそーびーーにーー!きーーまーーした!」

「おつかれーーーー!」

「えっ!?」

「おーーーつーーーかーーーれーーーー!」

全く、会話にならない。

苦笑いして、ハイネケンを片手に、プロジェクターに映された海外サッカー中継を眺めるだけ、、行った事ないけど、メキシコのナイトクラブに来ている様な錯覚になる。

 

  始発が動き出し、一気にお客さんが引けて、音量も下がり閉店となる。

トムも落ち着いたところで、煙草に火をつけて近況を語り合う。

  〝そーーねぇー、多かれ少なかれ、色々あるのが人生ですよ。〟

 

 退店となり、土曜日の朝、、朝日が眩しい…ゾロゾロ、ゾンビのように駅に向かう人々、カラスも〝カーーーカーーー〟生ゴミを漁っている。無意識のうちに吸い寄せられる…〝名代富士そば六本木店〟かき揚げ蕎麦を頂く…飲み過ぎもあり、気管に入りむせまくる…。〝ごほっごほっ〟鼻から蕎麦が、出てくるかと思うぐらいだ、お汁も完飲み、五臓六腑に染み渡る…。通勤の人々と、逆行して〝乃木坂駅〟まで歩く、、電車に乗り込み、腕を組み…端っこに座る。…トム、忙しそうだったなぁ…一晩で、カクテル何杯作ってんだう?うーん、………帰って寝よ!

  それでは、今夜も貴方様の御来店、心よりお待ち申し上げております。

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ある夜の出来事 勝手にシンドバッド

    週末の夜、ケイトが、神妙な面持ちで御来店頂いた。

「……勝負下着だったのに、、、」

  頭を傾げながら、モスコミュールを片手に今夜の話をしてくれた。

 

     取引先、五つ年上の男性と、四回目のデート、、誘われたら彼の自宅に、ついて行くつもりだった。

    表参道〝CIKADA〟での食事も二軒目〝BAR  RADIO〟の会話も笑顔も絶えない、もーーしぶんのない展開だった。

終電まで数本あるが、手を繋ぎゆっくりと、千代田線表参道駅に向かう

「ケイトさん……もし、よろしかったら…今夜…僕の家に…来ませんか?」

  願ったり叶ったりの展開だが…ケイトは、

「ハイ!行きます♡」とは、言えなかった。

  少し拒んだところを〝グイグイ〟引っ張って欲しかったと、乙女心を語ってくれた。

  彼は、あっさり塩味…撤退、撤収の気配…表参道駅の階段を下りて行く、改札を通りホームで解散となる。

「またね。」

 先に、ホームに到着した代々木上原方面に乗り込み御来店頂いた。

 

 ケイトは、デートの話を身振り手振りでしてくれるが、私は、右から左へと話が、通過するだけで、全く、頭に入って来ない…まるで、サイレント映画を観ているようだ。

 

  その訳は、〝はっきり〟している。

ケイトの〝勝負下着〟を想像してしまい、脳内劇場が開幕、完全なる妄想ナイトになってしまったからだ。

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ある夜の出来事 この素晴らしき世界

  今年も残すところ、あと、四十七日…季節も秋から冬に移りつつありますが、如何、お過ごしでしょうか?

 

  そんな夜…

 カップルで、御来店頂き、知多ハイボールと、レッドアイのご注文を頂く、雑談から週末の映画館の予約をスマホで完了させる。

「よし…出来た、トイレ!」

  彼が、お手洗いに入った瞬間に、彼女が、お会計のサイン、、〝彼が、戻る前に済ませたい。〟と、鞄から財布を出します。私も急いで、電卓を〝パチパチ〟合計を出しますが、、、

ここは、男性の早しょんの極み〝カチャ〟っと扉が開きます。

「えっ?なになに、お会計したの?」

「…うん……。」

 

バーテンダーとして、女性の期待に応えられない、もどかしさがあります。

 

 完璧なシナリオは、、、、

男性から

「お会計お願いします。」

「はい、大丈夫です……お代は、、、頂戴しております。」

「えーーー!いつ?支払った?」

「いーーの、いーーの、帰ろ♡」

  残念ながら、、成功率は、三割程度。

逆に、女性が、お手洗いに入り戻るまでに男性が、精算済ませる成功率は、八割程度に上がります。

 

 今夜も御来店頂き、ありがとうございます。十八年目突入、より居心地の良いバーを目指して精進していく所存です。引き続き宜しくお願い致します。

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ある夜の出来事 17歳の地図

  今晩は、店主の石原で御座います。さてさて、皆様、お変わりございませんでしょうか?

「えっ!お変わりある!」

是非、当店に御来店頂き、お聞かせて頂けたらと思います。

 来る、11月12日(火)、バードラゴンフルーツは、十七周年を迎えます。これもひとえに、御来店頂ける貴方様あって成し得る事と存じます。心より感謝申し上げると共に、引き続き、ドラフルを、、、

 

 まぁ〜〝硬い話〟は、アレだけにしまして、、

 

オープン初日の出来事を、、

  友人知人が目立つ店内、多少の安心感の中、お爺さんと、手に花束を持った女性が御来店頂いた。

「いらっしゃいませ!」

「オープン、おめでとう!これ私たちから、、、ここに、バーができるって聞いてて、楽しみにしてたの♡」

花束を手渡してくれた。

「えーーー!マジっすか?初めてお会いするのに…ありがとうございます!」

残りわずかの席に御案内、女性が店内を見渡し……、

「じゃねぇ、、ドンペリ、入れて…」

「いや……スイマセン、、ドンペリとかないんですよ…。」

女性は、眉間にシワを寄せて、

(なに、やってんのよー、お金落とそうと思って、爺さん連れてきたのに…)的なジェスチャーをします。

「じゃーねぇ、、そこにあるマーテルコルドンブルーをボトルで入れて、、」

「えっ?ありがとうございます……。」

 

会話から、女性は、六本木で働くキャバ嬢、お爺さんは、その店の常連客とのこと

私もご馳走様になり、

「この街で、頑張りますので、今後も宜しくお願い致します!」

お爺さんに名刺を手渡します。

「……石原?」

「ハイ!」

「…何だ、、この店は、石原プロの店か?」

「いえ!違います。」

 

その後、杯も進み、お会計となる、、。

キャバ嬢のペースで任せていたら、何故か…私が、お爺さんを自宅まで送る事となり、店は、キャバ嬢に任せて、ダッシュで店まで戻る。

(はぁーはぁーぜぃ、ぜぃ……)静まりかえった住宅街をひとり、走る。

一体、俺は、何をしてるのか?

 

〝くわえ煙草…デビュー当日の出来事でした。〟引き続き、宜しくお願い申し上げます!

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ある夜の出来事 ふたりの愛ランド

   その夜、二十代のカップルが、御来店頂いた。迷いもなくカウンター席に御着席頂き、遅めの夕食の前に一杯と、軽めのカクテル〝シェリートニック〟と〝シャンディーガフ〟の御注文を頂く、、。聞こえる会話から人気モデルとカリスマ専属美容師と思われる。カウンターに置かれた二台のスマホ計四台は、〝ピコピコ〟〝ブーブー〟鳴りっぱなし……これがまた、嫌な顔、ひとつせず、、

「どーーも、先日はありがとうございました!」とか

「今、どこですか?また、今度、呑みましょう♡」とか

「先日のロケ、お疲れ様でした!」とか

「すいませーーーん、今、上原なんですよ♡」とか

「あーー、どーーも、お久しぶりですーーー元気ですか?」

などなど、二人は、着信がある度、席を立ち、デートどころの騒ぎではない。

「お腹空いたねぇー」

二十二時、お会計のサイン、、、カード決済中に聞こえてきたのは、、

「来年さぁ、一ヶ月ぐらい南の島で、のんびりしない?」

「したーーい♡」

 

  スマホを彼女の顔の前で振る。

「でもねぇ…コレは、持っていかないよ、、、」

「私も♡」

 

この…絶妙なバランス感覚が、カリスマ性、人気モデルの秘訣なのかも?しれません。

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