ある夜の出来事 銀河鉄道の夜

今晩は、店主の石原で御座います。普段の生活の中で、全く、バーに通う事のない御方様でも、お初デートの二軒目として御利用頂ける事があります。

 大半が、食事の後にもう少し御相手の事を深掘りしたいと思う気持ちが伝わってきます。

「ご兄弟は?」

「じゃ〜最近、観た映画は?」

「へぇーー、じゃー、フェスとか行くんですか?」

まぁ一軒目で、掘り上げたネタを更に、煮詰めていく感じが何とも言えない。歯車が、ピターーーっとハマれば二人を乗せた恋の銀河鉄道は、ガラガラ、ゴトゴト、ゆっくりと、動き出す。私は、近からず、遠からずの車掌さんの立ち位置…。

ふむふむ、とうなずきます。最近、感じる事は、圧倒的に、女性が男性にモーションをかけるパターンですね、カップル成立率も高い。

 男性が、女性にガンガン口説きに入っている様子は、しばらく見ていない。これも時代の流れなんですかねぇ?もう一つ、

「もうーねぇー、彼氏は、要らない!わたしは、ねぇーー、旦那様が欲しいの……。」と、言ってた…。

くるみ(仮)ちゃんの結婚が決まった。本当に優しくて、素敵な彼だと、スマホからツーショット写真を見せてくれる。

「おー、いいー感じじゃーん!何?何?どこで知り合ったん?」と、親戚のおじさんの気分だ。これもよ……、最近の傾向だが、〝出会い系アプリ〟から発掘。〝必須条件〟を項目欄に打ち込み検索、選出された数十人のうちの王子様だと、幸せいっぱいの笑顔。

「へぇーーー!」

私は、仰け反り後頭部を打つける…。これが、無駄な時間、労力を使う事なく合理的だと説明を受ける。なるほどねぇ〜ここだけの話、族には知人の紹介で知り合った事になっているので、何卒、御内密に宜しくお願い致します。

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