ある夜の出来事 I Don't Like Mondays

今晩は、店主の石原で御座います。日曜の夜……閉店間際に、ちょくちょく御来店頂くケイティちゃん、店内のお客様は、ゼロ。

「いらっしゃいーー。」

「あーーー、また、誰もいない……。」つまらなそうな顔を露骨に出すケイティ…。

「何でさぁー、日曜の夜って呑みに来ないの?皆んな何してんのかね?」

〝ボリボリ…ボリ〟と、ナッツを噛み砕く音が店内に響く…。

「さぁー、月曜日に備えて、おやすになってるじゃないですか…。」と、言い訳をして、小さく反撃。

ケイティちゃん、大手企業に勤める営業職、よく働き、よく遊んで、恋愛もそれなりに楽しんでる感じなのですが……、とにかく、日曜の夜にベッドに入る事が、嫌で嫌でしょうがないようだ。つまり……、目が覚めたら現実の月曜日、フルスロットルの一週間が、始まるまで少しでも楽しく起きていたいという事らしい。言い換えるなら〝サザエさん症候群〟の実写版といったところだろうか……。ケイティらしい価値観は、他にもある…、〝金曜日の夜は、絶対に呑まない〟これは、土曜日の朝から全力で遊び倒す為の作戦…、てっぺんを超える前にはベッドに入るという…。大したもんだなぁと感心していた。

数ヶ月後……、

金曜日の夜に、ケイティが二名で頬を赤くしての御来店。

「こんばんはーー、後輩のリサちゃんでーーす!今日は、家に泊まるのーー」

「おいでやすぅーーーー。」

それにしても…、な・ん・の・話なのか…わからんが、〝ぱんぱん〟手を叩きながら爆笑の連続、、過呼吸状態……私まで、笑いが感染る…。ケイティが手を上げて

「ますたーーー!、もーうだめだ……腹筋が痛い…チェックーーー!」

お会計を済ませ、二人は、よろよろ歩きながらケイティの自宅へ、まだまだ話は尽きない。住宅街に見えなくなるまでのお見送り…。懐かしなぁ…ふと、会社員の頃を思い出す…。

 

アレーーー?ちょっと、ちょっと、ケイティは、〝金曜日の夜は、呑まない〟じゃないの?

まぁまぁ…まぁ……、硬い話は、………ねぇ…いろいろと、ありますから…ねぇ。

 

私もねー、今年こそ〝七日のうち休肝日を連続して二日とる!〟と決めていたのに、年明けから、十二日も経つのに……、休肝日……、ナーーシーーー!

 

情けない!

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