一杯のビールで幸せな休日を過ごす亮平くんの巻

その夜_____

女性一名がカウンター席で

タリスカーハイボール

召し上がっていた。

〝チリーーーーン〟

鈴木亮平似の若者が御来店

私の方に来て小声で

「…一杯、飲んでいくのでトイレを貸してくれませんか。」

「もちろん、どうぞどうぞ。」

奥を指した。

トイレから戻った亮平くんは

カウンター席を引いて着席した。

私は

「お気遣いなく…大丈夫ですよ。」

「いやいや、是非、一杯呑ませてください!」

笑顔で言ってくれたので

私も

笑顔でメニューをお渡しした。

亮平くんは

ウオッカトニックを召し上がりながら

「最近、仕事のストレスなのか

胃腸が優れないんです。」

数百メートル先の

マルエツ(スーパー)の

トイレまで

乗り切れる自信がなかったとうつ向く。

「あるある、私の場合は、、、

限界で自宅に到着、

靴を脱ごうとかかとに力を入れた瞬間に

GAME  OVER…

ガニ股でトイレに駆け込んだ事を

初対面の

若者に話す私がいた。

気持ちもほぐれてか

二杯目のオーダーも頂く、

(中略)

亮平くんは

大企業の社員、

爽やかで

礼儀正しく

ルックスもいい

モテると思うが彼女はいない。

休日はもっぱら

自宅で筋トレして

大黒湯(銭湯)のサウナで汗を流し

350mlの缶ビールを呑むのが

今は

幸せの時間だと

微笑んでくれた。

それでは

今夜も

この辺で

素敵な週末を…

おやすみなさい。