事実は小説よりも奇なり

その夜、

ドラフル前に黒のレクサスLSが停車する。

ハザードを点滅し後続車も停車した。

ドライバーが降りながら後続車に手を上げ、

後方に回り左の後部座席のドアを開ける。

男性一名が

下車して迷いもなくドラフルへ…

「鈴木で予約してます。」

「いゃ…多分、おとなりさんじゃないすかね。」

「おっと…それは失礼。」

三分後_______

ドラフルの前に黒のエルグランドが停車、

ハザード点滅後にスライドドアがスゥーと開く、、

手提げ袋を持った男性がドラフルへ直行…

「鈴木さんで予約してます。」

「…多分ですけど、おとなりさんかと思いますよ。」

「あーーごめん、ごめん。」

一分後________

ドラフルの前に黒のヴェルファイアが停車、

ハザードが点滅してスライドドアが開く。

スーツのボタンを閉めながら男性が下りた。

(…もしやの。)

キターーーーッ‼️

「こんばんはぁ…鈴木さんで予約してます。」

「いや…多分、おとなりさんだと思いますよ。」

「おっと、失礼しました。」

二時間後_______

「…全員、店を間違えたと聞いて寄らせていただきました。」

鈴木さん先頭に三名様がご来店いただいた。

「マジっすか!

それは、それはありがとうございます。」

私は談笑しながら

カウンターを拭き直し

席にご案内させていただいた。 

オーダーは山崎エディションのロック、

白州ハイボール、竹鶴ハイボール

粗挽きチョリソーに北海道チーズもオーダーをいただいた。

(中略)

後にお会計となり、

どこで待機してたのか、、

続々と三台のハイヤーがドラフル前に停車する。

通行人が〝何ごとかしら〟と振り返るほどだ。

鈴木さんが一番乗りとなり二名様を前に私も後方からお見送り、

パワーウィンドウが下がり

鈴木さんは二人に、

「じゃ…次回は高円寺の焼き鳥屋で。」

スマートな男っていうのはよ、

どこまでいってもスマートだ。

それでは

今夜もこの辺で

素敵な週末を

おやすみなさい…。