ある夜の出来事 感謝感激雨あられ

   今晩は、店主の石原で御座います。その夜も、カウンターで数名のお客様と、与太話に花を咲かせ〝ゲラゲラ〟笑い転げていると……入口に人の気配が…目線を向けると、そこには……、白いヘルメットを被り、白衣を着たおじさんが、オオオニバスのような寿司桶を持って、突っ立ている。一瞬にして店内が、沈黙となる…。

「えっ?……、あのぅ〜、出前先はどちら?うちから寿司なんか頼んでないですよ…。」

「いえっ!加藤(仮)様から、こちらへの出前の御依頼がございまして、はい、お代も頂いております!」と、直立不動のまま、、。

「えーーーーー!マジっすか!」と、皆んなで仰け反る。

  加藤さん、先程まで御来店頂いていたお客様で、皆んなで、寿司ネタの談義で盛り上がり〝寿司、食べたくなってきたね…、〟と言ってたところだった。いゃぁー、こんな粋な計らいは初めて過ぎる…。速攻で、御礼の電話を差し上げるも直留守…、加藤さんらしい…伝言での御礼となった。カウンターに収まらないほどの寿司桶、ラップを丁寧に剥がす……。さてさて、遠慮は無用…、桶をクルクル回しての宝石のようなお寿司達、小皿をまわしての準備が整いました。

「では、先輩からどうぞ…」

「いやいや、マスターどうぞ…」

「いやいや!じゃー女性からどうぞ……」

本気、ダチョウ倶楽部状態、、、、。皆、お好みの握りを頬張り〝う〜んう〜ん〟唸るだけ、次の出番を待つ…私も僭越ながら、車海老の〝さっと〟ボイルを頂いた。一口で、旨味成分のアミノ酸が、口いっぱいに広がる…旨い……。マグロ、中トロ、うに、いくら、赤貝、平目の昆布〆、ホタテ、巻物などなど……小腹が空く時間帯に、至福の時が流れる…。しかし、その場では、言わなかったが……、どーーーー見ても、、〝特上〟だったなぁ……。

   私もいつか、こんな、素敵なサプライズが出来る様になりたいものだ・・・。

 

カトちゃん!元気ですかぁー?その節は、ご馳走さまでした♡

 

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