その夜、
男性二名が入口で立ち止まり
「二人です。」
カウンターに先客がいらしたので
空いてる席を好きに選んで頂く、
二人は
キッチン側のカウンター席①と②を選択、
メニューをお渡ししてパラパラめくり閉じた。
「あのー…バーは初めて来たので何を頼んだらいいですか。」
「それは、それは…ようこそ。」
私は
こう言う時はオリジナルカクテルよりも
スタンダードカクテルを召し上がって頂くようにしている。
スタンダードカクテルとは、全世界共通のカクテルなので
今後の人生において、
国内のみならず…ニューヨーク、ロンドン、パリ、上海など
どこのバーに行っても大体同じカクテルが提供されるからだ。
(中略)
二人は
代々木上原が実家の現役大学生(小中高と同じ学校で大学から別に)
昨年、成人式を迎えたばかりの
二十歳。
2002年のドラフルオープンした頃は生まれておらず…
まだ、
お母さんのお腹の中か、
いゃ…
お父さんの中で生成されてるかどうか、
いゃ…
その前の
太平洋沿岸で漂う天然岩牡蠣の頃かもしれない。
そんな話はさておき、
二人の名は、
私から見て左がマルケス、右側がアレックス、
二人とも子供の頃からドラフルの前を通っていたとの事で
いつか行ってみたいと思っていたと語ってくれた。
マルケスは
近所で塾講師のアルバイト、
アレックスも
近所の老舗定食屋でアルバイトしながら
友達と飲みに行くとなればもっぱら
幡ヶ谷の六号通り商店街の鳥貴族。
「まぁ…そうだよねぇー、
ところで、彼女は?」
「いないです❗️」
「ボクもいないです‼️」
「青春はこれからだ!」
それでは、
今夜もこの辺で
素敵な週末を
おやすみなさい。