ある夜の出来事 ランボー/最後の戦場

初夏の夕暮れ時、、、開店準備中、シェリーがミニサイクルを押しながら店にやって来た。

「マスターごめん、、トイレ貸して、、」

「どうぞ、どうぞ、、」

   きゅうりを持った左手で奥を指す。横には、見知らぬ御婦人が、心配そうに付き添っている、、。

   しばらくして、シェリーがトイレから出てきた。

「どーも、すみません、、助かりました。」と、シェリーは、御婦人に声をかけて、カーディガンを丁寧にたたみ、お返している。

「え?何?」

「いーーーの、マスターには、今度、話すから、、」

    シェリーは、ミニサイクルを押しながら代々木上原の街に消えていった。

 

     数日後、、

  シェリーが、ラムコークを呑みながら、先日の出来事を話してくれた。

幡ヶ谷から代々木上原までのロングスロープを、気持ちよくミニサイクルで一気に降りて来た、、その途中、お気に入りの麻のロングスカートが、ミニサイクルのギアに絡まり、強制的に引きずり降ろされ転倒、想像するに堪えない姿で、オネェ座りをしているところへ御婦人が……

「あら!あなた、大丈夫?」

   御婦人の羽織っていたカーディガンで、お尻を隠してくれたそうで、シェリーは、軽い擦り傷で済んでおり笑い話になっている。

 

         今後、 貴女様がこの様な惨劇に、遭遇した場合は、私は、男らしくTシャツを脱ぎ、貴女様に羽織って頂くことになるが…

  〝上半身裸の変態ジジイ〟がいると通報される可能がある。

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